当院の特徴
当院における理念
すべての女性が自分らしく輝いて生きるために―
女性の身体は年代によって月経・妊娠・出産・更年期障害などいくつもの大きな転換期を迎えます。その折々で直面するさまざまな身体の変化には驚かされ、自分のことながらもうまくコントロールすることができないもどかしさと戸惑い、込み上げる不安は想像をはるかに超える大きなものとなります。特に妊娠・出産がもたらす心身への影響は大きく、これからの未来を考え合わせるにあたっては『何が最良の選択か』をひとつひとつ吟味し、ご自身の手で丁寧に選び取ってゆく必要があります。私たちはそんな女性の繊細で神秘的な身体と真っすぐに向き合い、ともに考え続けるケアの実現に全力を尽くしております。医療の本質である安心・安全・快適な環境作りには徹底的にこだわり、感動と幸せに満ちた妊娠・出産と健やかなる赤ちゃんの成長を力強くサポートいたします。また、女性の生涯にわたってのトータルヘルスケアの実現にも最大限に力を尽くしております。
女性としてこの世に生を受けたことへの喜びと感謝、すべての女性が自分らしくこれからも輝いて生きられるために、スタッフ一同、納得度の高いケアの実現をお約束いたします。
「医療」「人（スタッフ）」「環境」の三本柱を軸に「人を診る」「家族を診る」ケアをスローガンとして―
どんな出産も「100％安全」はありえません。妊娠中にはさまざまなリスクの可能性があり、同様に赤ちゃんもお腹の中でたくさんの試練を乗り越えてこの世界に生まれ出ます。出産は奇跡に次ぐ奇跡の連続なのです。その大切な瞬間を支える私たちの仕事は、そのリスクをいかに回避し、異常がある場合にはいかに早期発見できるかを担います。当たり前のことではありますが、一人一人の方に対していかに「人を診る」ということができるか、加えて産婦人科では「家族を診る」という観点がとても重要となる現場です。出産という奇跡を守り抜くために私たち医師・助産師・ナースといった医療チームがあり、支えるご家族の力があります。当院を選んでいただいたみなさんにはそういった思いを胸に、我々の総力をあげてお守りできるよう努めます。「医療」「人（スタッフ）」「環境」の三本柱を当院の軸として、心を溶かし開きながら優しく丁寧に、ときに厳しくもありながら、母体と胎児の安全を責任を持って守ります。
健全な母子環境を力強くサポートいたします
幸せいっぱいの出産を終えたご家族は、これから長い時間をかけてお子さんと向きあう時間が始まります。ご家族にとっても初めてとなる経験ばかりですから、誰しも幸せの裏には不安を抱えています。そこに語られない事実があることもまた、出産を見届けた私たちだからこそしっかりと責任を持って引き受けなければならないことです。世間では虐待やネグレクトといった悲しい不幸な事案が起こってから初めて「なぜ？」という議論が巻き起こります。なぜ早期に気づかなかったのか？なぜ誰も手を差し伸べなかったのか？―どれだけ法律や人員が整備され議論が尽くされようとも、それを未然に防ぐための検証がいまだしっかりとなされていないのが現状です。そんな中、日々大変な育児と向き合っていかなければならないのはご家族です。当院でもリスク評価については徹底的に取り組んでおります。関連機関や行政とも連携しながら、安心できる健全な母子環境を力強くサポートいたしております。
リスク評価の取り組みについて
当院ではご家族を健全にサポートさせていただくために独自のリスク評価作成に力を入れております。患者さんご本人だけでなく、ご家族の環境やバックグラウンドに至るまで多角的な視点での情報を集約し、健全な母子環境作りに努めております。些細な出来事も見逃せないサインのひとつとなる場合があります。きめ細やかなカウンセリング等を通じて、体・心・環境といったそれぞれの観点から考えうる限りのリスクを分析・検討し、ご家族をより良い方向へと導きます。
単なる身体の管理や、出産を切り離した工程として捉えたくないから―
当院で特に大切に考えている母子環境作りについて
妊娠が結果的にご家族を崩してしまうケースも決して少なくありません。とはいえ、産婦人科の医師が患者さんのご家族と関われる時間は限られています。しかし当院ではできる限りの最善を尽くしたいと考えています。「妊婦の身体を管理する」「出産を診る」といった切り離した工程や分業として扱うのではなく、愛着形成がなされていくその過程を丁寧に見守ることまで大切にしたいと心から願っています。一人一人の母子環境を最大限にお守りしたいという原点はそこにあります。出産はほんの通過点にしかすぎません。当院を選んでいただいた患者さんだからこそ、できる限りのベストを尽くしたいとスタッフ一同、母子環境作りには特に力を入れて取り組まさせていただいております。
女性のためにこだわり抜いて作られたクリニックです
当院は敷地1500坪にわずか19床という手厚い環境です。建物は鉄筋構造で、個別の空間や音の遮蔽、個人のプライバシーをしっかりと守るために最初からこだわって作られました。中待合を広く作ったこともこだわりのひとつです。診察室からの声が極力聞こえないように、次の患者さんと広く距離を取って空間を遮断することでプライバシーの保護を意識しております。また、院内を歩く妊婦さんに対しても移動距離が最小限に収まるように各施設が工夫されて配置されています。新生児室に入る際には指紋認証でなければドアが開かないようにセキュリティも徹底されています。沐浴槽は壁付けにせず、デュポン社製のアイランド方式を採用したことでどこからでも沐浴の見学・指導がしやすいように設計されています。
ガイドラインに則った個別性の高い適切な診療内容をご提供いたします。
特別な病や疾患を抱えていらっしゃる妊婦さん、取り巻く母子環境に不安を感じられている方など、これから出産を迎えるにあたってリスクが高いと判断された場合には必要に応じて予防的な対処を講じなければなりません。とは言っても、患者さん側も実際に何か問題を起きていなければ具体的には理解しがたい話でもあります。将来異常が起きる可能性が高いと判断された場合には、事前のリスク回避・軽減に対する具体的な指導や治療をしっかりと行う必要があります。最近は診療内容にも「現在の段階で妥当な治療内容や見解を最低限実施していなければ第三者的に認めない」という主旨の細かなガイドラインが制定されました。昨今問題となっている医療事故や医療過誤に対して、「第三者としての判断が必要となった際に最低限の診療内容がなければ認めない」という意思表示でもあります。当院もそのルールに則ることはもちろんのこと、患者さんとご相談の上、ガイドラインにないそれ以上の部分にも触れながら個別性の高い治療の実現を目指しています。
「先を見据える力」というのは今までの経験の豊富さや研鑽を重ねた知識と技術をもとに得られるものです。異常を見つけた際に行う対処も、次のステップに極力影響を残さぬよう専門各所と密に連携を図りながら慎重に検討を重ねた上で行います。安全が当たり前ではない出産という特殊な現場だからこそ、個別性の高い治療のご提供を当院では積極的に検討いたしております。
『「生きる」を多角的に診る』を合言葉に―
現代の妊婦さんを取り巻く環境は時代を追うごとに厳しくなりつつあることを診療の現場でも感じます。実際、孤独な環境にあるご家庭は多いものです。“良くて当たり前の世界”をどういう引き上げていくのかまでを、一人一人の患者さんに対してしっかりと捉えなければなりません。『「生きる」を多角的に診る』を合言葉に、妊婦さんの支えとなる以上に、一人でも多くの女性の味方となれるような指導を心がけています。家族のような立ち位置で見守るケアを真ん中に据えながらも、一人でも多くの「生きる」を具体的に応援できるケアの実現を目指しています。夜中にいただく相談の電話なども、いつでもなんでも困ったことがあったらぜひ私たちを頼りにしてください。相談を受けるどのスタッフに対しても同じ目線で同じクオリティでのご返答ができるよう、スタッフ一同意識高く日々努力いたしております。入院されている患者さんに対しては特に個別の情報シートを作成し、そのデータ共有は徹底されております。誰にいつ相談しても「大丈夫」とお応えできる環境作りにも尽力いたしております。
女性専門医による診察が可能です
妊娠にまつわるご相談だけでなく、生理や更年期といった女性ならではのデリケートな問題に悩まれている患者さんはとても多いです。女性ならではの視点できめ細やかにご相談をお受けできる女性専門医も当院には常駐しておりますので、気になる点やご心配事がありましたらいつでもお気軽にご相談ください。
院内には24時間体制の高度な分娩監視システムを配備
当院では母体や胎児の危険を即時感知するために、24時間体制の分娩監視システムや胎児心拍モニター等のさまざまな必要データをナースステーションで一元管理しています。例えば、病室でモニター管理されている方のご様子、分娩室の様子、陣痛室の様子、さらには外来の診察室の様子や当直室、院長室に至るまで院内すべての場所でリアルタイムの状況が24時間体制で更新され解析されています。どこかで異常が起きればどこにいてもすぐに駆け付けることができ、迅速な対応を取ることが可能です。例えば胎児の生命に直接的に関わる胎盤早期剥離などは一刻も早い対処が必要です。当院の管理システムならさまざまな患者さんの異常を即座にキャッチし、重大な異変の見逃しや報告の遅延を防ぎます。また、胎児の心拍モニターの管理など、生命にかかわる重大な異常が起きていないかも合わせて監視しています。外来・病棟ともにすべての方の重要データは複数の目を通じてくまなく共有・チェックされているため、大勢のスタッフたちが横一線に並びバトンを受け渡していくようなそんな心強い体制でもあります。
心臓と血管系の異常まで診断できる詳細な超音波検査を、当院ではすべての患者さんに実施しています
通常、一般的なクリニックで行われている超音波検査とは、スクリーニング検査と言って大まかに異常の有無がないかだけを診断するものです。しかし当院の超音波検査は心臓と血管系の異常まで診断できる詳細な機器を使用しています。早期に胎児の異常を発見することができるためとても有効です。当院では全ての方を対象に個別診断をいたしております。ここまで詳細な検査を取り扱うクリニックは近畿地方全体をみてもごくわずかしかありません。心臓の奇形なども早期に判別することが可能です。高度な機器が必要とされるだけでなく、それを読み解く専門性の高いドクターが揃わなければ実現できない検査です。
さい帯血バンクへの提供を行っております
当院では出産時、日本赤十字社近畿さい帯血バンクへのさい帯血採取の提供も行っております。さい帯血とは母体と胎児をつなぐへその緒と胎盤に流れている血液であり、このわずかな血液の中にはさまざまな細胞に分化する幹細胞が豊富に含まれています。近年、白血病をはじめとするさまざまな再生医療の治療研究の場で活用が大いに期待されてきました。将来、もしもお子さんが難治性疾患にかかられた場合に役立つ取り組みのひとつと考えています。
どんな場面においても高い判断力とスピード感をすべてのスタッフが等しく発揮できるために―
当院のスタッフたちは選りすぐりの高度な技術と知識を持ち合わせる優秀な人材ばかり。スタッフ教育にも大変力を入れております。院長自らが講師として指導してきた助産学科で育った生徒たちや、研究生時代からの信頼のおけるスタッフ、他大学の敏腕なスタッフや公的施設で活躍してきた有能な人材を各所に配置しております。大切な患者さんをお守りするために、絶対的な信頼を置けるチーム陣営を当院では複数有しております。キャリアはもちろん、自分自身で研鑽を積むことをいとわないスタッフたちばかりです。一人の患者情報をスタッフ全員が素早く把握し、共有できる体制作りにはこだわっています。誰が担当となっても今までの経緯や背景を詳細に理解し引き継げるように、また前回受けたご相談は担当が代わっても熟知できるようなシステムを構築し、患者さんを継続的に力強くサポートいたします。
生殖医療を必要とされている患者さんのためにできること―
昨今、生殖医療は決して都市部に限った話ではなく多くの方に求められてきています。当院でも生殖医療を希望される患者さんに対して利便性やコンプライアンスを重要視した体制作りを整えております。加えて、専門性の高い治療をご提供できるようにさまざまな新しい技術や研究を積極的に取り入れております。また、これから抗がん剤治療に臨まれる方など、将来妊娠を望まれる方への事前の卵や精子の凍結といった取り組みにも最先端の治療技術を取り入れております。当院では多くの方のさまざまな形の妊娠を応援しています。医療の進歩により妊娠のチャンスは着実に広がりをみせてきています。
「病気を治す」のではなく「人を治す」をスローガンとして―
昨今の医療現場の進歩は目まぐるしく、進化したAIやITの登場により「病気を治す」といった観点においては一昔前と比べて比較にならないほどの高い成功実績を得られるようになりました。しかし、病気を治せるようにはなったものの依然として「人を治す」という根本の考え方がどうも置き去りになりがちのように感じています。精神的な側面、患者さんを取り巻く環境的な問題などさまざまな要素が複雑に絡み合って人は病気を生じます。疾患が治ればそれでいいという感覚では本当の医療とは呼べないと私たちは切に思うのです。当院では最良の医療にこだわり、心の通った温かみのある医療を目指しています。
